会長ご挨拶

2022年(令和4年)5月より医師会長をしております。私自身が会長に就任した時にはまだまだ新型コロナウイルス感染症の流行が続いており、この感染症に医師会としてどのように対応していくかが、最も重要な課題でした。ただ、新型コロナウイルスは2022年1月にオミクロン株に変異してからかなり弱毒化し、多くの方が肺炎になるような病気ではなくなりました。新型コロナウイルス感染症は、2023年(令和5年)5月から5類感染症(インフルエンザなどと同じ普通の感染症の扱い)となり、感染症の対応に追われるだけでなく、通常の医師会活動ができるようになりました。ただ多くの市民の方々にとっては、医師会活動とは何なのか、あるいは医師会とは一体何をしているのかがお分かりにならないかもしれません。

東近江市は2020年の国勢調査で人口約11万3千人の町です。この中で暮らしておられる方々は様々な課題を抱えています。中でも健康に関する課題は、世代によって異なってきます。若い世代にとっては安心して子供を育てられるかどうかが重要でしょうし、働き盛りの世代にとっては自分の健康をしっかり守っていくことが重要になるでしょう。ご高齢の方にとっては、安心して介護を受けられるシステムがあるか、認知症になった時のサポートがどうかなどが大切かもしれません。医師会は、市やその他の組織と協力して、これらの課題の解決に取り組んでいく組織だと考えています。例えば医師会活動の中心は、子育て支援であったり、健診・予防接種であったり、在宅医療であったりします。もちろんこれらの活動は、個々には病院に所属する医師や開業医がするわけですが、医師会はこれらの活動が円滑に行われるように調整する役を行っています。

我々医師は医療を本業としておりますので、それぞれの専門分野で新しい知識を取り入れてそれを日々の患者さんへの診療に生かしていく、これは当然の努めです。ただ、地域に生きる医師としては、自分自身が行う医療の質をあげることだけでは不十分です。自院での診療以外にも、学校健診などの地域保健活動、災害が起こった時に備えての防災活動、医師以外の多職種と連携して高齢者の介護を支える活動、などの全てが地域にとって必要な活動です。医師会とはそのような活動をしている組織です。今後とも医師会にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

東近江医師会会長

一般社団法人 東近江医師会
会長 小杉 厚
(こすぎクリニック 院長)